FA関連の制御ソフト開発というのは、パソコンやワークステーションなどをベースにしたOAソフト開発とは全く違ったものです。というのも、FA関連の制御ソフトというものは、パソコンやワークステーションといったOSで管理されているコンピューター上で動くソフトではなく、電気釜やエアコンなどといった様々な機器の中に組み込まれて動くファームウェアと呼ばれているソフトだからです。つまり、OAソフトのように、アプリケーション・ソフトの土台となるOSが存在しない環境で、自前で動くソフトであるためにいわゆる組込み開発と呼ばれているファームウェアのソフト開発には、それ独特の知識とスキルが必要とされるのです。
このために、組込み系プログラマには、一般的なプログラマとは違ってファームウェア・ソフト開発の知識とスキルが求められます。機器に組み込まれるファームウェアは、そのプログラムサイズに厳しい制約があるために容量を喰う高級言語によるプログラミングではなく、マシンコードと一対一であるアセンブラ言語によるプログラミングが基本となっているために、FA関連の制御ソフト開発を行う組込み系プログラマには、アセンブラ言語のプログラミングスキルが必須となっています。また、プログラムのデバッグも、マシンコード・レベルでICEというエミュレータを使ってのものとなるために、ハードウェアと一体での開発スキルも組込み系プログラマには求められます。このように同じプログラマでも、FA関連の制御ソフト開発を行う組込み系プログラマには一般的なOSベースやインターネット・ベースのソフト開発を行うプログラマとは、全くといっていいほど違った知識やスキルが必要とうことがわかるでしょう。