“基本情報技術者”とは、経済産業省が主催する国家資格「情報処理技術者試験」、その中の区分の一つです。
その名前の通り主にプログラマー・システムエンジニア(SE)などIT技術者の職業を目指す人が多く受験する資格で、試験ではIT業界で働くためには必須のSE・プログラマなどに対する基本知識や、論理的な考えがあり対応可能か等の問題が出題されます。また、経営や管理についてある程度の知識も必要になる場合があるため、試験勉強を通して全般的なIT力の向上が望めます。このためSEなどに携わる人たちにはIT業界のパスポートと位置づけられ、若きエンジニアの登竜門にもなっています。主な内容としては、コンピュータ言語のプログラミングに関する問題が出題されるため主にSE・プログラマ向けの能力認定試験として、情報産業界では創成期から重要視されています。現在は分野の発展とともに、SEをはじめとしたシステム開発者・利用者の双方を想定した試験へと進化し、流れ図・データ構造・アルゴリズムの問題も導入されたのでSEを目指す方にもステータスの1つとなっています。また、情報工学に関連するエンジニアの実務においても有利となります。
特に大手システム開発会社では、この試験に合格することが技術者の必要最低限の資格として重要視されることがあり、入社3年程度以内に取得するよう推奨されています。しかしながらIT業界全般の社会人での取得率は合格率と難易度により未だ低く、企業研修などでの合格者の輩出も少ないのが実情としながらもその先の上位の試験合格を目指すキャリアパスにもなっています。受験者の年齢層も10代半ばから50歳代と幅広く、60代70代以上の高齢者の受験もわずかながら増加しているほど認知されています。 受験者の多い年代としては、19~21歳(主に情報系の学生)・22~25歳(主に情報システム系の開発会社の若手SE新入社員)ですが、前述した通り合格率が低めのため毎回試験を重ねてようやう合格するケースが多く見られます。そのため合格者平均年齢の幅は概ね、24歳~26歳程という傾向にあります。また、新卒のIT職の志望者の中で取得率は10%に満たないことや、大手や公的機関では合格者しか採用しないケースもあり、公的機関では特に情報技術の関連職の採用を基本情報技術者の合格を基準に行い、大学卒業程度と位置づけられるのが一般的とみられています。
受験料
5,100円(税込)
試験日
例年の4月・10月の第3日曜日
※次回(平成29年度春期)実施は4月16日(日)予定
試験時間
午前・午後各150分(60分のお昼休みを挟む)
問題数
午前・80問 午後・13問
受験者数(平成28年)
136,376人(前年比 -2415人)
合格率(平成28年)
26.6%(前年比 +0.8%)
(上記データ:2017年3月現在)