インフラ技術者の中でもネットワーク設計の技術者は、その根幹を作る技術者として非常に重要な存在です。また、ネットワークは常にその動作によりトラフィック変動が伴うので、継続的に監視し状況に応じ最適化を行わなければならないという運用面での高い技術力も必要になります。多くの場合、インフラ技術者はその基幹システムの構築を行うと共に、運用方法に関する設計を行う必要があります。システムを最適に動作させるためにアプリケーションの動作やその性能・処理速度などを予測し、ネットワークに関する要求仕様を作成し、その要求を満たすネットワークを設計する必要があります。このためインフラ技術者になるためには、ネットワーク設計だけでなくシステム設計に対してもある程度の知識を持たないといけません。責任分界上はネットワーク仕様書通りに構築すれば良いですが、システム技術者も完璧ではなく、システムの動作を見誤ることもあることと、また双方の観点からの確認をすることが安全なシステムの要素を高めることになるからです。
企業インフラは企業の生産活動の根幹を支える重要なものです。このインフラが故障・停止した場合、その損害は計り知れないものがあります。インフラ技術者になるためには、 この企業インフラの重要性を十分に理解し、安全なネットワーク設計を行うことが非常に重要となります。一般に企業のネットワークを構築するSEやSIの場合は、仕様書が全ての基本となります。あくまでもお客様のネットワークですから、お客様と綿密な打ち合わせをした上で決定されている仕様を、勝手に変更することは絶対に行ってはいけません。もし動作に問題がある場合ではあっても、顧客の了解を得た上でないと変更はできません。しかし、インフラ技術者は常にシステムの動作を第一に考えて進めなければなりません。